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田舎に移住~『わかやま暮らし相談会Withアウトドア』レポ~

あなたはのどかな田舎に移住したいな、と思ったことはありませんか。私はあります。雄大な山々、綺麗な川、広い海。田舎に移り住めば自分らしく幸せに生きられる。ストレスから解放された心穏やかな生活が待っている。そんな想像をするだけでもデトックス効果がありそうですよね。
でも田舎に移住って難しいんじゃないの。誰もがそう思うはずです。なんと言ってもまず障害となるのは『お金』でしょう。田舎には仕事があるのだろうか。十分な収入があるのだろうか。どれくらい生活費用が掛かるのだろうか。その他にも、田舎に移住するには色々な不安が付きまといますよね。気になった私は今回、田舎暮らしの実態に少しでも迫ってみようということで、シティプラザ大阪で開催された『わかやま暮らし相談会Withアウトドア』(2016年8月27日)に参加してきました。

             

 

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和歌山の6つの市町村がそれぞれの地域の魅力をPRしたり個別の相談に乗ってくれたりというイベントです(広川町、田辺市白浜町那智勝浦町古座川町、北山村)。また、他府県から和歌山に移住した2名によるトークセッションも行われました。それらで得た情報を5つの項目にまとめて紹介したいと思います。

 

①仕事はあるの?

②お金はどれくらい掛かるの?

③どんなライフスタイルなの?

④移住にあたっての前準備は?

⑤結婚はどうするの?

 

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                                                 (相談会の様子↑)

 

①仕事はあるの?
町役場や郵便局、農業と林業の兼業家などが多いようでした。他にも介護や医療関係の仕事が需要が多いようです。町役場に勤める女性(28歳)にお給料をこっそり尋ねると、月給20万、手取りは15万程度とのことでした。お仕事の内容は田舎移住希望者の相談や農林業関係などを担当されていましたよ。

 

②お金はどれくらい掛かるの?
個人差はあると思いますが1人10万程度とのことでした。
家賃が非常に安く一軒家の賃貸+駐車場で月々4万円という方もいました。なかには0円で済むケースもあるそうです。どういうカラクリかと言うと、『家を持ってるけど使わないから管理だけして欲しい』という理由で地元の方が貸してくれるケースだそうです。
また周辺に居酒屋やコンビニがないので無駄遣いしたり遊びに掛ける支出が少ないということを皆さん口を揃えて仰っていました。遊びと言えば、釣りやカヌー、ツーリング、近隣の方とバーベキューすることが多いそうです。
食費に関してはコンビニ、居酒屋がないため必然的にリーズナブルになりそうです。田舎といえば自給自足のイメージですが、職を手に付けている人は自給する時間がなく、スーパーや移動販売を利用するようですが、そんな方でもご近所さんから野菜や食材を譲ってもらえるようです。そういうときはお返しとしてそれらを調理してふるまうんだそうです。田舎ではお互い足りないものを補完し合いながら生活できるのが魅力ですね。この話に関して非常に印象深かったのが、那智勝浦に移り住んだ人のお話しです。その人は移住してから月収がおよそ3分の1の10万円程度になったそうです。いっぽう月々の支出も10万円。一銭たりともお金が貯まらない生活ですが、『それでも全く不安はない』と言うのです。『なぜなら自分が困ったときは周りの人が助けてくれるから』だそうです。都会暮らしでは想像できないですね。

 

③どんなライフスタイルなの?
平日は仕事、休日は自然のなかで遊ぶという人が多いようです。自然のなかで遊ぶというのは、釣りやカヌー、ツーリング、もちろん川遊び山登りなどです。農地のある家では作物を作ります。副業が禁じられている役場勤めの方は、作物を売ることはできませんが、それを自足したりご近所さんと物々交換したりするようです。他にも印象的だったのが、鹿や猪などを罠に掛けたりあるいは犬に狩らせたりしてお肉も自給することができるそうです。狩りと聞くと男の人は血がうずきますよね。でもこの話をして下さったのは女性の方でした。仕事に行く前に山に入り、罠を仕掛けるそうです。インドアを自称していましたが、十分アクティブですよね。
なお、田舎独特の性質として村人全員が知り合いというものがあります。例えば北山村は総人口が450人程度なので数年で全員と顔見知りになりそうですね。『プラバシーのオン・オフが少ない』といっていましたが至言でしょう。噂話はすぐに広まりますし、どこかに車で出掛ければ、『昨日どこに行っていたの』とすぐにばれてしまうそうです。それを好ましいと思えるかどうかが田舎移住を決断する時には大事になってくるそうです。

 

④移住にあたっての前準備は?
自分がどういうライフスタイルを望んでいるのかを明確にすることが大切なようです。『まぁまぁ田舎か、完全に田舎か』。あなたはどちらがいいでしょう。『田舎に住みたいけど、周辺にスーパーや映画館がないと嫌だな』という人は『まぁまぁ田舎』を選ぶべきですし、『周囲に自然以外のものがあるのはごめんだな』という人は『完全に田舎』を選ぶべきかもしれません。ただ、どちらを選ぶにしても、今の生活より不便になることは間違いありませんので、身の回りの物を自分で調達する、あるいはDIYして再利用するという『自分の力でなんとかする』姿勢はある程度必要なようです。また、先述したように田舎には『プラバシーのオン・オフが少ない』ので、人と関わりたくない人はもう少し市街地に近いところを選んだ方が賢明かもしれません。
こうやって自分のライフスタイルを決定した後、住む場所を探します。海が近い方がいいか、山が近い方がいいか、あるいはその両方か。自分の希望に合う場所を探し当てたら何度か現地に赴き、そこに住む人の話を聞いたほうがいいようです。そうした方が移住した後に後悔することも少ないでしょうし、なにより、村の人たちも安心して下さるようです。ちなみに、『田舎に住めば独特の村社会が形成されておりよそ者扱いされるのでは』という懸念をする方もいるかもしれませんが、今回の相談会ではそういったことは耳にしませんでした。むしろ村の人たちはウェルカムな雰囲気らしく、人口減少は死活問題なのだと感じました。
なお、村によっては移住に補助金が出る制度もあるのでホームページや市町村の役場で確認すればいいでしょう。また最近は短期間の農業体験を受け入れている村も増えているので、そういったものに参加して田舎移住が本当に自分の肌に合っているかを見定める役に立てるのもいいかもしれません。
古座川に移住した山本拓自さん(44歳男性・既婚)の言葉を借りれば『焦らずゆっくりと考えること』が大事なようです。

 

⑤結婚はどうするの?

お金の問題の次に悩ましいのは結婚ではないでしょうか。あるいは既婚者の方は家族を連れていくにはどうすればいいかを考えるはずです。まず、現地で結婚相手を探すというのは難しいという印象を受けました。近隣の市街地でお相手を見つける、あるいは地元で結婚してから移住するというのが賢明なようです。しかしそうなると家族をいかに説得するかという問題が発生するのですが、山本拓自さんは『時間を掛けて田舎暮らしのよさを妻に洗脳した』と仰っていました。根気強く説得するのが大事なのですね。実際、今回の相談会では夫婦でいらっしゃっている方もいました。家族を連れて相談員の説明を聞きに行けば、田舎暮らしに肯定的になってくれるかもしれませんね。

 


相談会で得た情報は以上です。お土産にゼリーも頂きました。

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相談会後には産経新聞の方にインタビューされました。若い移住希望者に話を聞きたいとのことで、『田舎で何をしたいですか』などの質問を受けました。
『えぇと田舎に住んでそれをブログに書いて……』
『イケダハヤトさんみたいな感じですか』
『……そうです』
というやりとりをしました。お恥ずかしい。

 

【まとめ】

①仕事はあるの?       →役場や郵便局、農業や林業

②お金はどれくらい掛かるの? →次々10万円程度

③どんなライフスタイルなの? →自分の力でなんとかする、プライバシーのオン・オ         

                フが少ない

④移住にあたっての前準備は? →焦らずゆっくりと考えること

⑤結婚はどうするの?     →現地でのお相手探しは難しい

 

近年は地方創生の功あってか田舎に移住する人が増えているようです。移住推奨地域に移り住めば多額の奨励金や家賃補助、子育て支援が受けられるのです。もっとも、制度が整ってきたから需要が生まれたのではなく、田舎移住の潜在的な需要に制度がようやく追いつきてきたのでしょう。
私見ですが地方創生は素晴らしい政策であるように思います。一極集中は日本にとって好ましくない状態だからです。人・金・モノの循環を東京に集中させることは日本全体の人・金・モノの循環を滞らせることを意味します。東京だけ潤っても、日本の経済が死んでしまえば東京も共倒れですよね。人体の血流に例えれば、心臓だけ血の循環が活発に行われているのに、手足や頭に血が流れていない状態です。心臓は元気かもしれませんが、他の部分はじわじわと壊死していき、最終的には心臓も機能を停止ししてしまいます。
今回は相談会に出席しただけですが、田舎暮らしを具体的にイメージすることができました。この情報が田舎暮らしを希望する方に少しでも役に立てば幸いです。